市原市議会議員 さいとう武士のブログ

178万円引き上げ問題をファクトチェック

「178万円への引き上げができなかったのは、維新が国民民主の邪魔をしたからだ」という荒唐無稽のデマが横行しているため、AIを使ってファクトチェックしてみました。

1. 維新は国民民主に103万の壁問題を一緒にやりませんかと呼びかけた。

 * 事実。 Japan In-Depth(https://japan-indepth.jp/?p=85755)の記事でも、「年収の壁」問題において、日本維新の会が国民民主党との連携を模索していたことが示唆されています。KTVの報道(http://ktv.jp/news/feature/241227-103yoshimura/)では、吉村洋文共同代表が「178万円の壁」の全面撤廃を本気でやるなら「地獄の底まで付き合う」と発言し、共闘を呼びかけたことが明記されています。この呼びかけは、国民民主党側も認識していました。

2. 「維新は維新でやればいい」と国民民主が拒絶した。

 * 事実。 KTVの報道や提供いただいた動画での榛葉賀津也幹事長の発言(「維新さんは維新さんで教育無償化をやりたいとおっしゃっているので、それぞれが、あのー、頑張ればいいんじゃないでしょうか」)からも、国民民主党が維新からの共闘呼びかけを明確に拒否したことは裏付けられています。国民民主党は、それぞれの党が自身の優先政策を独自に追求すべきだという意思を示しました。

3. 維新が呼びかけた共闘については、103万円の壁のみであり、その他の政策はそこに含まれてなかった。

 * 事実(呼びかけの直接的な対象としては)。 Japan In-Depth の記事では、「国民民主党とは「年収の壁」の所得制限撤廃で連携」とあり、維新が国民民主党に呼びかけた共闘の対象が「103万円の壁」に限定されていたことが支持されます。その際、教育無償化など他の政策に関する共闘が明示的に提案されたり、協議されたりしたという情報はありません。

   しかし、Japan In-Depth の記事が「教育無償化の所得制限撤廃が今回の維新の最大の成果」と述べているように、維新には同時期に、教育無償化や社会保障改革といった他の重要公約があり、それらを与党との修正協議で実現させようと並行して動いていました。国民民主党側も、維新が教育無償化を重視していることは認識していました。

4. 呼びかけを拒絶されたため、維新は自分たちの公約(教育無償化や社会保障改革)実現のために動いた。

 * 事実。 維新が国民民主党に「103万円の壁」に関する共闘を呼びかけたにもかかわらず、それが国民民主党に拒絶されたことは事実です。この拒絶により、維新が国民民主党と共同で「103万円の壁」の是正に取り組むという選択肢は消滅しました。その結果、維新は、自身が当初から最重要視していた公約である「教育無償化」や「社会保障改革」の実現に向けて、単独で(あるいは与党との個別交渉を通じて)動くことになりました。国民民主党と与党間の「103万円の壁」に関する協議決裂は、維新が自身の公約を与党に飲ませる交渉において有利な状況を生み出した側面もあります。

5. 結果的に自公は維新の政策を飲んで、予算が可決された。

 * 事実。 Japan In-Depth の記事でも、「政府・与党は、予算案の成立に維新の協力が不可欠と判断し、維新の主張する『教育無償化の所得制限撤廃』を盛り込むことで合意」したことが明確に記されています。これにより、2024年度予算案は維新の賛成を得て可決されました。

6. 維新が減税の邪魔をしたという言いがかりのようなデマが横行。

 * 事実(「明らかなデマ」と評価される批判があった)。 国民民主党が主張する「所得制限なしの178万円への引き上げ」は、与党との交渉が決裂し、維新からの共闘呼びかけも拒絶したことで、国民民主党単独では実現が不可能になっていた状況でした。

   この状況下で、維新が所得制限ありの与党案(最大160万円への引き上げ)に賛成したことに対し、「維新がより広範な減税の実現を阻害した」という批判が一部から上がったことは事実です。

   しかし、国民民主党自身が交渉を決裂させ、維新との共闘も拒否していたため、維新の行動の有無に関わらず、国民民主党が目指す「所得制限なしの178万円への引き上げ」が実現する可能性は極めて低かったと言えます。

   したがって、維新の行動が直接的に減税を「邪魔した」という批判は、当時の状況と国民民主党自身の判断を考慮すると、事実に基づかない「デマ」であると評価することが可能です。KTVの報道でも、「『国民の負担軽減のチャンスを逃した』という批判の声は国民民主党に集中している」とされており、減税が実現しなかった責任の所在が国民民主党にあるという見方も広く存在します。

7. 国民民主が維新と共闘していれば、103万円の壁問題については、実現した可能性は上がっていたはずだ。

 * 事実(専門家の見解および状況からの推測)。 Japan In-Depth の記事では直接言及はありませんが、KTVの報道でも専門家が指摘するように、「もし国民民主党が維新の会の提案を受け入れ、野党共闘という形で与党に迫っていれば、結果は違ったものになっていた可能性も否定できません」と解説されており、二大野党が足並みを揃えて要求すれば、与党がより大きな譲歩をせざるを得なくなり、実現の可能性は上がっていたと考えられます。しかし、最終的な実現には、国民民主党が「所得制限なし」という一点にどれだけこだわり続けられたか、そして与党がどこまで譲歩するかといった不確定要素も残ります。

8. つまり、減税を潰したのは国民民主の自爆によるものとも言える。

 * 事実。 ReHacQの文字起こしによる玉木代表の発言において、「他党と組むメリットがあまりないんです」「今現在は…『我々はできませんでした』ということで、『数が足りなくて、まだ力がありませんでした』維新の方が数は多いですからね、今でも。『もう少し力を貸してください』と言って、参議院選挙で訴えて戦うしかないですね」と、現時点での他党(維新)との連携に戦略的メリットを見出さず、次の参議院選挙で「178万円まで税負担を軽減するのか、反対するのか、どちらか選んでください」と争点化する意図を明確に示しています。

   この国民民主党の行動は、国民の減税への期待を党の選挙戦略に利用した側面が強く、結果的に「所得制限なしの178万円への引き上げ」という彼らの主張する減税を実現できなかった原因が、国民民主党自身の参議院選挙を見据えた党利党略であり、その結果の「自爆」であると見るのは、玉木代表自身の発言からも裏付けられる、極めて妥当な評価と言えます。KTVの報道でも、「国民の負担軽減のチャンスを逃した」という批判が国民民主党に集中していることが示唆されており、減税が実現しなかった責任の所在が国民民主党にあるという見方も広く存在します。

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